電動アシスト自転車の歴史

世界で最初に電動アシスト自転車を開発・販売したのはヤマハでした。
ヤマハは1993年に初代PASの販売を開始しました。まずは、電動アシスト自転車という新しいカテゴリの商品のため、テスト的に販売地域を限定してのスタートでした。価格は149,000円でした。

初代PASは鉛バッテリーを使用していて、走行距離は20kmでした。バッテリーはサドル下のみならず、メインフレームの下にも配置され、現在のリチウムイオンと比べるとかなり大きなものでした。

発売後、注目を集め当初の計画を上回る販売台数を記録したそうです。その後1994年に全国販売が開始されました。

実は、電動モーターを搭載した自転車はPAS以前にもありました。例えば、パナソニックの前身である、ナショナル自転車工業は1979年にペダル付き電気オートバイ「Electric Cycle」を発売しています。しかし、こちらは見た目は自転車に近いのですが、法律的な区分では原付きに分類され、乗車時にはヘルメットをかぶる必要がありました。電動アシスト自転車としてはヤマハのPASが初めてとなります。
パナソニックはその後1996年に電動アシスト自転車を発売しました。

PASは1995年に二代目が発売されました。従来の鉛バッテリーからニッケルカドミウム電池に変更され、バッテリーが脱着できるようになりました。ニッケルカドミウム電池は容量が残っている状態で充電すると、メモリー効果で容量が減ってしまうので、対策としてリフレシュ機能付きの充電器が採用されました。

1997年には三代目PASが発売されました。エコノミーモードが追加され、走行距離も長くなりました。1999年、2001年、2003年とモデルチェンジを続け、性能も進化しました。1999年からニッケル水素電池の搭載が始まり、2003年にはすべてニッケル水素電池になりました。また、2003年には非接触型のトルクセンサーが搭載されました。これによって、万が一バッテリーが切れた際のペダルがかなり軽くなりました。

2004年に発売された「NEW PAS リチウム」からリチウムイオン電池が搭載され、軽量化と継ぎ足し充電ができるようになりました。2014年現在発売されている機種と基本的な構成が同じになりました。

他メーカーも参入し、電動アシスト自転車の市場は右肩上がりに順調に拡大していきます。
種類も増えて、シティタイプ(ママチャリ)の他に、3人乗り対応の子供乗せタイプ、スポーツタイプ、折りたたみ自転車などラインナップが拡大しています。

節電や高齢化の時代に電動アシスト自転車は非常に有効な乗り物だと思います。今後もますます市場が拡大していくと見込まれています。