バッテリーの容量と走行距離

バッテリーの容量はAh(アンペア)という単位で表示されます。容量とは電気を蓄える量のことで、数字が大きくなれば容量も大きくなります。電動アシスト自転車の場合は容量が大きくなれば、その分長い距離を走ることができます。

電動アシスト自転車自転車のバッテリー容量にはいくつかの種類があります。バッテリー容量によって一度の充電で走ることのできる走行距離やバッテリーを使える期間が決まってきます。
バッテリー容量は電動アシスト自転車選びのポイントの一つとも言えるでしょう。
ここでは現在主流となっているリチウムイオン電池の容量について考察していきます。

主要メーカーのバッテリー容量

各メーカーの電動アシスト自転車の種類はたくさんありますが、それに使用されるバッテリーの種類は多くありません。専用バッテリーを搭載している電動アシスト自転車はほとんどなく、汎用性のあるバッテリーを搭載しているケースが大半です。
日本の3大メーカーについて、2014年現在使用されてるバッテリーの一覧を作成してみました。

パナソニック ヤマハ ブリヂストン
特小 5 5 5
6.6 6.6 6.6
8.9 8.7 8.7
13.2 12.8 12.8

(単位はAh。2014年6月時点のカタログデータ。旧機種と回生充電タイプは除く。)

これを見ると、各メーカーはほぼ4つの容量に分かれます。(ちなみにヤマハとブリヂストンは相互に部品を供給しあっているので、バッテリーの構成も同じになります)

各メーカーもバッテリーの容量で車種を設定しています。
例えば、ヤマハの場合、PASナチュラSが5Ah(96,120円)、PASナチュラLが8.7Ah(112,320円)、PASナチュラXLが12.8Ah(139,320円)という具合にクラス分けを行っています。価格(税込み)も、バッテリー容量が上がるに連れて高くなっています。
パナソニックの場合はDX(デラックス)が付くと大容量のバッテリーを搭載しています。

バッテリー容量と走行距離

バッテリー容量によって1回の充電で走行できる距離が変わってきます。上記の表に標準モードでの走行距離を追加してみます(パナソニックの場合はオートマチックモード)。

パナソニック ヤマハ ブリヂストン
特小 20km(5Ah) 20km(5Ah) 20km(5Ah)
29km(6.6Ah) 30km(6.6Ah) 30km(6.6Ah)
36km(8.9Ah) 39km(8.7Ah) 39km(8.7Ah)
52km(13.2Ah) 58km(12.8Ah) 58km(12.8Ah)

(2014年6月現在のメーカーカタログ値。代表的な機種のデータを掲載。)

この表を見ると、各メーカーともにバッテリー容量が大きくなると走行距離も伸びていることがわかります。
容量の大きなバッテリーを選んだほうがいいように思いますが、その分価格が上がります。このあたりは、実際の使用状況(走行距離)とおさいふとの相談になるかと思います。

バッテリー容量の選び方

バッテリー容量を選ぶにあたっては、電動アシスト自転車にどのように乗るかを事前に明らかにしておくと良いです。それによってバッテリーの容量が決まってきます。

  • 1日あたりどれくらいの距離を乗るのか→距離が長ければ容量大
  • 坂が多いか少ないか→多ければ容量大(坂が多いとバッテリーの消費が高いため)
  • 荷物や子供を載せる機会はどうか→多ければ容量大(重いとバッテリーの消費が多い)
  • 気温はどうか→寒い地域は容量大(気温が低いとバッテリーの能力が低下します。特に5度以下は大幅に低下します。)

などです。
電動アシスト自転車の走行距離を測定する場合、上り坂や下り坂を含む一定の条件で測定を行っています。この条件より坂が厳しい場合は走行距離が短くなります。

そして注意すべき点が一つあります。バッテリーの容量は使用頻度と使用年数によって減少していきます。たくさん使えば使うほど、長期間使えば使うほど電気を蓄えておくことのできる容量は減っていきます。
2014年のカタログでは、3大メーカーでは、700~900回の充電で容量が約半分になるとしています。充電が半分になると走行距離も半分になると考えられます。このため、この容量減少を見越してバッテリーを選ぶ必要があります。安いからといって容量の小さいバッテリーを選ぶと、充電回数が多くなり容量の減りも早くなります。スペアのバッテリーを購入すればよいですが、もしかしたら大容量のバッテリーを使い続けた方が安くなったかもしれません。
また、気温が低いとバッテリーの能力は低下します。特に5度を下回ると顕著になります。寒冷地や気温の下がる夜間から早朝にかけて利用する場合は、大容量バッテリーを選ぶといいでしょう。
まとめですが、充電頻度や使用条件によって異なるので一概には言えませんが、もし予算に余裕があるなら、少し余裕を持った容量を選ぶことをおすすめします。